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8.2:DQNのコア技術【ゼロつく4のノート】

はじめに

 『ゼロから作るDeep Learning 4 ――強化学習編』の独学時のまとめノートです。初学者の補助となるようにゼロつくシリーズの4巻の内容に解説を加えていきます。本と一緒に読んでください。

 この記事は、8.2節の内容です。DQNを実装して、カートポールを学習します。

【前節の内容】

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【他の記事一覧】

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【この記事の内容】

8.2 DQNのコア技術

 DQNを実装します。

 利用するライブラリを読み込みます。

# ライブラリを読み込み
import gym
import numpy as np
import random
from collections import deque
import copy
from dezero import Model
from dezero import optimizers
import dezero.functions as F
import dezero.layers as L

# 追加ライブラリ
import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.animation import FuncAnimation

 gymライブラリやカートポールの利用・作図については「8.1:OpenAI Gym:Classic Control【ゼロつく4のノート】 - からっぽのしょこ」を参照してください。
 学習の推移をアニメーションで確認するのにmatplotlibanimationモジュールのFuncAnimation関数を利用します。不要であれば省略してください。

8.2.2 経験再生の実装

 DQNでは、各時刻(ステップ)で得られるサンプルデータ(経験データ)「状態・行動・報酬・次の状態(・終了フラグ)」を保存しておき、行動価値関数(Q関数)の更新時にランダムに取り出して利用します。経験データからミニバッチデータを作成する処理を経験再生と呼びます。経験再生の必要性については本を参照してください。
 この項では、経験再生の処理を実装します。

処理の確認

 ReplayBufferクラスの内部で行う処理を確認します。deque()については「6.2:SARSA【ゼロつく4のノート】 - からっぽのしょこ」も参照してください。

 サンプルデータの一時保存用に、最大要素数を指定したリストを作成します。

# サンプルデータの保存数を指定
buffer_size = 10

# サンプルデータの一時保存用リストを初期化
buffer = deque(maxlen=buffer_size)
print(buffer)
deque([], maxlen=10)

 保存するデータ数buffer_sizeを指定して、deque()でリストを作成します。

 ダミーのサンプルデータを繰り返し格納します。

# (ダミーの)サンプルデータを格納
for i in range(15):
    # (ダミーの)現在の状態・行動・報酬・次の状態・終了フラグを作成
    state = (i, i, i, i)
    action = i
    reward = i
    next_state = (i, i, i, i)
    done = False
    
    # サンプルデータをタプルに格納
    data = (state, action, reward, next_state, done)
    
    # サンプルデータを保存
    buffer.append(data)
    
    # サンプルデータ数を表示
    print(len(buffer))
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
10
10
10
10
10

 リストの要素数がbuffer_sizeを超えないのが分かります。

 サンプルデータをランダムに取り出します。

# ミニバッチのデータ数を指定
batch_size = 5

# ランダムにサンプルデータを抽出
data = random.sample(buffer, k=batch_size)
print(data)
print(len(data))
[((10, 10, 10, 10), 10, 10, (10, 10, 10, 10), False), ((14, 14, 14, 14), 14, 14, (14, 14, 14, 14), False), ((13, 13, 13, 13), 13, 13, (13, 13, 13, 13), False), ((5, 5, 5, 5), 5, 5, (5, 5, 5, 5), False), ((7, 7, 7, 7), 7, 7, (7, 7, 7, 7), False)]
5

 randomモジュールのsample()でリスト内の要素を重複を許さずランダムに取り出します。
 dataにはbatch_size個のタプルが格納されます。

 サンプリング時刻ごとにまとまっているサンプルデータを、状態・行動・報酬・次の状態・終了フラグごとに分割します。

# 状態・行動・報酬・次の状態を抽出
state = np.stack([x[0] for x in data])
action = np.array([x[1] for x in data])
reward = np.array([x[2] for x in data])
next_state = np.stack([x[3] for x in data])
done = np.array([x[4] for x in data]).astype(np.int32) # 因子型から整数型に変換
print(state.shape)
print(action.shape)
print(reward.shape)
print(next_state.shape)
print(done.shape)
(5, 4)
(5,)
(5,)
(5, 4)
(5,)

 リスト内包表記を使って、dataからそれぞれのデータを取り出してまとめます。xは、ある時刻における状態・行動・報酬・次の状態・終了フラグを格納したタプルです。それぞれ対応するインデックスを指定してリストに格納します。
 状態は配列なので、リストに格納してnp.stack()で行方向に結合します。行動・報酬・終了フラグはスカラなので、リストに格納してnp.array()で配列に変換します。
 また、フラグに関しては、np.astype(np.int32)で因子型から整数型に変換しておきます。

 データ番号(サンプリング時刻)ごとに、各データを確認します。

# ミニバッチデータを確認
for n in range(batch_size):
    print('state      : ' + str(state[n]))
    print('action     : ' + str(action[n]))
    print('reward     : ' + str(reward[n]))
    print('next state : ' + str(next_state[n]))
    print('done       : ' + str(done[n]))
state      : [10 10 10 10]
action     : 10
reward     : 10
next state : [10 10 10 10]
done       : 0
state      : [14 14 14 14]
action     : 14
reward     : 14
next state : [14 14 14 14]
done       : 0
state      : [13 13 13 13]
action     : 13
reward     : 13
next state : [13 13 13 13]
done       : 0
state      : [5 5 5 5]
action     : 5
reward     : 5
next state : [5 5 5 5]
done       : 0
state      : [7 7 7 7]
action     : 7
reward     : 7
next state : [7 7 7 7]
done       : 0


 因子型から整数型への変換を確認します。

# 因子型を格納
bool_arr = np.array([False, True])

# 整数型に変換
int_arr = bool_arr.astype(np.int32)
print(bool_arr)
print(int_arr)
[False  True]
[0 1]

 False0True1になります。
 整数にすることで、条件分岐を行わずにTDターゲットを計算できます。詳しくは7.4.3項の「更新メソッド」を参照してください。

 以上が、経験再生の処理です。

実装

 処理の確認ができたので、経験再生をクラスとして実装します。

# 経験再生の実装
class ReplayBuffer:
    # 初期化メソッドの定義
    def __init__(self, buffer_size, batch_size):
        # サンプルデータの一時保存用リストを初期化
        self.buffer = deque(maxlen=buffer_size)
        
        # ミニバッチのデータ数を設定
        self.batch_size = batch_size
    
    # 追加メソッドの定義
    def add(self, state, action, reward, next_state, done):
        # サンプルデータをタプルに格納
        data = (state, action, reward, next_state, done)
        
        # サンプルデータを保存
        self.buffer.append(data)
    
    # データ数メソッドの定義
    def __len__(self):
        # サンプルデータ数を出力
        return len(self.buffer)
    
    # ミニバッチデータの出力メソッドの定義
    def get_batch(self):
        # サンプルデータをランダムに抽出
        data = random.sample(self.buffer, self.batch_size)
        
        # 状態・行動・報酬・次の状態・終了フラグを抽出
        state = np.stack([x[0] for x in data])
        action = np.array([x[1] for x in data])
        reward = np.array([x[2] for x in data])
        next_state = np.stack([x[3] for x in data])
        done = np.array([x[4] for x in data]).astype(np.int32) # 因子型から整数型に変換
        return state, action, reward, next_state, done


 実装したクラスを試してみましょう。

 環境(カートポール)とエージェントのインスタンスを作成して、複数回のエピソードでサンプリングを繰り返します。ここでは、サンプリングが目的なので、学習は行いません。
 実装できているかと次項での処理の確認のため、buffer_sizebatch_size以上のサンプルデータを格納しておきます。

# サンプルデータの保存数を指定
buffer_size = 100

# ミニバッチのデータ数を指定
batch_size = 32

# インスタンスを作成
env = gym.make('CartPole-v1')
replay_buffer = ReplayBuffer(buffer_size, batch_size)

# エピソード数を指定
episodes = 10

# 繰り返しシミュレーション
for episode in range(episodes):
    # 状態を初期化
    state, info = env.reset()
    done = False
    
    # 時刻を初期化
    t = 0

    # 1エピソードのシミュレーション
    while not done:
        # 時刻をカウント
        t += 1
        
        # ランダムに行動を決定
        action = np.random.choice([0, 1])

        # 状態を遷移
        next_state, reward, done, truncated, info = env.step(action)
        
        # サンプルデータを保存
        replay_buffer.add(state, action, reward, next_state, done)
        
        # 状態を更新
        state = next_state
        
    # サンプルデータ数を表示
    print(
        'episode ' + str(episode+1) + 
        ', T=' + str(t) + 
        ', buffer size:' + str(len(replay_buffer))
    )
episode 1, T=11, buffer size:11
episode 2, T=34, buffer size:45
episode 3, T=29, buffer size:74
episode 4, T=13, buffer size:87
episode 5, T=23, buffer size:100
episode 6, T=30, buffer size:100
episode 7, T=14, buffer size:100
episode 8, T=19, buffer size:100
episode 9, T=18, buffer size:100
episode 10, T=20, buffer size:100

 最初の状態からランダムに行動して、カートまたはポールが閾値を超えると(doneTrueになると)エピソードが終了です。エピソードごとに、envreset()で状態(カートとポール)を初期化し、終了フラグdoneFalseに設定します。
 時刻(ステップ)ごとに、envstep()で状態を遷移し、得られたサンプルデータ(現在の状態・行動・報酬・次の状態。終了フラグ)をreplay_bufferadd()で保存します。

 各データのミニバッチデータを作成します。

# 現在の状態・行動・報酬・次の状態・終了フラグのミニバッチデータを取得
state, action, reward, next_state, done = replay_buffer.get_batch()
print(state[:5].round(3))
print(state.shape)
print(action[:5])
print(action.shape)
print(reward[:5])
print(reward.shape)
print(next_state[:5].round(3))
print(next_state.shape)
print(done[:5])
print(done.shape)
[[ 0.019 -0.414 -0.04   0.556]
 [-0.018 -0.414  0.099  0.736]
 [ 0.012 -0.408  0.05   0.598]
 [-0.085 -0.425  0.058  0.636]
 [-0.044 -0.031  0.005 -0.014]]
(32, 4)
[0 0 1 0 1]
(32,)
[1. 1. 1. 1. 1.]
(32,)
[[ 0.01  -0.609 -0.029  0.836]
 [-0.026 -0.61   0.114  1.058]
 [ 0.004 -0.214  0.062  0.322]
 [-0.094 -0.62   0.071  0.947]
 [-0.044  0.164  0.005 -0.305]]
(32, 4)
[0 0 0 0 0]
(32,)

 状態は2次元配列、行動・報酬・終了フラグは1次元配列になります。

 この項では、DQNで利用する経験再生を実装しました。次項では、ターゲットネットワークを実装します。

8.2.4 ターゲットネットワークの実装

 DQNでは、正解ラベル(TDターゲット)を一定期間固定するために、Q関数の計算を行うネットワークとは別に、TDターゲットの計算を行うためのターゲットネットワークを用います。ターゲットネットワークの必要性については本を参照してください。
 この項では、3層のニューラルネットワークと、経験再生とターゲットネットワークの機能を持つエージェントを実装します。

実装:ニューラルネットワーク

 まずは、Q関数やターゲットネットワークとして利用する3層のニューラルネットワークをクラスとして実装します。ニューラルネットワークの実装については「7.4:Q学習とニューラルネットワーク【ゼロつく4のノート】 - からっぽのしょこ」を参照してください。

# NNを用いたQ関数の実装
class QNet(Model):
    # 初期化メソッドの定義
    def __init__(self, action_size):
        # 親クラスのメソッドを継承
        super().__init__()
        
        # レイヤのインスタンスを作成
        self.l1 = L.Linear(128) # 入力層
        self.l2 = L.Linear(128) # 中間層
        self.l3 = L.Linear(action_size) # 出力層
    
    # 順伝播メソッドの定義
    def forward(self, x):
        # NNを計算
        x = F.relu(self.l1(x)) # 入力層
        x = F.relu(self.l2(x)) # 中間層
        x = self.l3(x) # 出力層
        return x

 中間層(隠れ層)のサイズ(ニューロン数)は、任意の整数を指定できます。出力層のサイズは、左右の2つの行動に対応するので2です。
 活性化関数としてReLU関数を使います。

処理の確認:エージェント

 次は、DQNAgentクラスのupdateメソッドの内部で行う処理を確認します。get_actionメソッドについては「7.4:Q学習とニューラルネットワーク【ゼロつく4のノート】 - からっぽのしょこ」を参照してください。

 Q関数とターゲットネットワークのそれぞれとして利用するニューラルネットワークのインスタンスを作成します。

# 行動の種類数を設定
action_size = 2

# Q関数用のNNのインスタンスを作成
qnet = QNet(action_size)

# ターゲットネットワーク用のNNのインスタンスを作成
qnet_target = QNet(action_size)

 カートポールは2種類(左右に押す)の行動を取るので、QNetクラスのインスタンス作成時の引数に2を指定します。

 最適化手法のインスタンスを作成して、Q関数用のニューラルネットワークのインスタンスを設定します。

# 勾配降下法用の学習率を指定
lr = 0.0005

# 最適化手法のインスタンスを作成
optimizer = optimizers.Adam(lr)

# モデルを設定
optimizer.setup(qnet)
<dezero.optimizers.Adam at 0x1ea66ccbc70>

 この例では、オプティマイザとしてAdamを利用します。

 学習に利用するミニバッチデータを作成します。

# ミニバッチデータを取得
state, action, reward, next_state, done = replay_buffer.get_batch()
print(state.shape)
print(action.shape)
print(reward.shape)
print(next_state.shape)
print(done.shape)
(32, 4)
(32,)
(32,)
(32, 4)
(32,)

 8.2.2項の最後に作成したReplayBufferクラスのインスタンスreplay_bufferを利用します。batch_size以上のサンプルデータが格納されている必要があります。

 ミニバッチデータとして取り出された状態ごとに、行動価値を計算します。

# 状態のサンプルごとに行動価値(Q関数NNの順伝播)を計算
qs = qnet(state) # 全ての行動
print(qs.data[:5].round(3))
print(qs.shape)
[[-0.116 -0.062]
 [ 0.002 -0.174]
 [-0.051  0.043]
 [ 0.016 -0.023]
 [-0.083 -0.009]]
(32, 2)

 サンプリング時点の状態stateをQ関数のニューラルネットワークqnetに入力して順伝播を計算し、各状態における全ての行動価値qsを求めます。
 batch_sizeaction_size列の2次元配列が出力されます。各行がデータ、各列が行動に対応します。

 行動のミニバッチデータに対応する行動価値を取り出します。

# 行動番号を確認
print(action[:5])

# 行動のサンプルに応じた行動価値を抽出
q = qs[np.arange(batch_size), action]
print(q.data[:5].round(3))
print(q.shape)
[1 0 0 1 0]
[-0.062  0.002 -0.051 -0.023 -0.083]
(32,)

 actionをインデックスとして使って、qsの行(データ)ごとにサンプリングされた行動に対応する列を抽出します。

 同様に、ターゲットネットワークを用いて、次の状態における全ての行動価値を計算します。

# 次の状態の状態ごとに行動価値(ターゲットNNの順伝播)を計算
next_qs = qnet_target(next_state) # 全ての行動
print(next_qs.data[:5].round(3))
print(next_qs.shape)
[[ 0.107  0.061]
 [-0.19   0.109]
 [-0.036 -0.046]
 [ 0.031  0.018]
 [ 0.013  0.007]]
(32, 2)

 サンプリング時点の次の状態next_stateをターゲットネットワークqnet_targetに入力して順伝播を計算します。

 データごとに行動価値の最大値を取り出します。

# 行動価値の最大値を抽出
next_q = next_qs.max(axis=1)
print(next_q.data[:5].round(3))
print(next_q.shape)

# 勾配の計算から除外
next_q.unchain()
[ 0.107  0.109 -0.036  0.031  0.013]
(32,)

 np.max()で行(データ)ごとに最大値を抽出します。

 TDターゲット(正解ラベル)を計算します。

# 収益の計算用の割引率
gamma = 0.98

# ターゲット(正解ラベル)を計算
target = reward + (1 - done) * gamma * next_q
print(target.data.round(3)[:5])
print(target.shape)
[1.105 1.107 0.965 1.031 1.013]
(32,)

 次の状態がエピソードの終了条件の場合は、行動価値が0なのでした。また、終了フラグdoneを整数型に変換して(1 - done)を掛けることで、条件分岐せずにTDターゲットを計算できるのでした(7.4.3項)。

 正解ラベルtargetと行動価値の推定値qを使って、損失関数(損失レイヤの順伝播)として平均2乗誤差を計算します。

# 損失関数(損失レイヤの順伝播)を計算
loss = F.mean_squared_error(q, target)
print(loss.data)
1.2232366530750893

 (ちなみに、平均2乗誤差の計算において、差を2乗するので$(t - q)2 = (q - t)2$です。よって、target, qを引数に指定する順番は計算結果に影響しません。)

 ここまでが順伝播の計算です。

 2つのネットワークのパラメータを確認しておきます。

# Q関数NNとターゲットNNのパラメータを確認
print(qnet.l1.W.data[:5, :5].round(5))
print(qnet_target.l1.W.data[:5, :5].round(5))
[[-1.03818 -0.35128 -0.93529  0.29857 -0.01896]
 [-0.15855  0.33951  0.26128 -0.22662  0.38711]
 [-0.52156 -0.56969  0.21413 -0.60592 -0.66908]
 [ 0.86168 -0.4002   0.09893  0.06456 -0.46271]]
[[-0.72459 -0.07635 -0.37949 -0.61383 -0.38521]
 [-0.34167  0.28834  0.75089  0.10324 -0.43549]
 [-0.48761  0.03648 -0.15202 -0.52449 -0.73869]
 [ 0.21465  0.62343 -0.25167 -0.07325  0.0035 ]]

 順伝播の計算しか行っていないので、どちらもランダムな初期値(正確にはXavierの初期値)です。

 各レイヤのパラメータの勾配を計算して、パラメータを更新します。

# 勾配を初期化
qnet.cleargrads()

# パラメータの勾配(逆伝播)を計算
loss.backward()

# 勾配降下法によりQ関数NNのパラメータを更新
optimizer.update()

 qnetの逆伝播メソッドbackward()で、各パラメータの勾配を計算します。
 さらに、オプティマイザの更新メソッドupdate()で、各パラメータを更新します。

 更新後のパラメータを確認します。

# Q関数NNとターゲットNNのパラメータを確認
print(qnet.l1.W.data[:5, :5].round(5))
print(qnet_target.l1.W.data[:5, :5].round(5))
[[-1.03768 -0.35178 -0.9348   0.29807 -0.01846]
 [-0.15805  0.33901  0.26178 -0.22712  0.38761]
 [-0.52206 -0.56919  0.21363 -0.60542 -0.66958]
 [ 0.86118 -0.3997   0.09843  0.06506 -0.46321]]
[[-0.72459 -0.07635 -0.37949 -0.61383 -0.38521]
 [-0.34167  0.28834  0.75089  0.10324 -0.43549]
 [-0.48761  0.03648 -0.15202 -0.52449 -0.73869]
 [ 0.21465  0.62343 -0.25167 -0.07325  0.0035 ]]

 qnetのパラメータが少し変化しているのが分かります。qnet_targetのパラメータは更新されません。

 Q関数のネットワークでターゲットネットワークを上書きします。

# Q関数NNとターゲットNNを同期
qnet_target = copy.deepcopy(qnet)

# ターゲットNNのパラメータを確認
print(qnet_target.l1.W.data[:5, :5].round(5))
[[-1.03768 -0.35178 -0.9348   0.29807 -0.01846]
 [-0.15805  0.33901  0.26178 -0.22712  0.38761]
 [-0.52206 -0.56919  0.21363 -0.60542 -0.66958]
 [ 0.86118 -0.3997   0.09843  0.06506 -0.46321]]

 2つのニューラルネットワークのパラメータが一致しました。

 以上が、DQNにおけるエージェントの処理です。

実装:エージェント

 処理の確認ができたので、DQNにおけるエージェントをクラスとして実装します。

# DQNのエージェントの実装
class DQNAgent:
    # 初期化メソッドの定義
    def __init__(self):
        # ハイパーパラメータを指定
        self.gamma = 0.98 # 収益の計算用の割引率
        self.lr = 0.0005 # 勾配降下法用の学習率
        self.epsilon = 0.1 # ランダムに行動する確率
        self.buffer_size = 10000 # サンプルデータの保存数
        self.batch_size = 32 # ミニバッチのデータ数
        self.action_size = 2 # 行動の種類数
        
        # インスタンスを作成
        self.replay_buffer = ReplayBuffer(self.buffer_size, self.batch_size) # サンプルデータの保存用リスト
        self.qnet = QNet(self.action_size) # Q関数(3層のNN)
        self.qnet_target = QNet(self.action_size) # ターゲットネットワーク(3層のNN)
        self.optimizer = optimizers.Adam(self.lr) # 最適化手法
        self.optimizer.setup(self.qnet) # モデルを設定
    
    # 同期メソッド
    def sync_qnet(self):
        # Q関数NNとターゲットNNを同期
        self.qnet_target = copy.deepcopy(self.qnet)
    
    # 行動メソッドの定義
    def get_action(self, state):
        # ε-greedy法により行動を決定:式(6.11)
        if np.random.rand() < self.epsilon:
            # ランダムに行動を出力
            return np.random.choice(self.action_size)
        else:
            # 2次元配列に変換
            state = state[np.newaxis, :]
            
            # 現在の状態における行動価値(Q関数NNの順伝播)を計算
            qs = self.qnet(state)
            
            # 行動価値が最大の行動を出力
            return qs.data.argmax()
    
    # 更新メソッドの定義
    def update(self, state, action, reward, next_state, done):
        # サンプルデータを保存
        self.replay_buffer.add(state, action, reward, next_state, done)
        
        # サンプルデータが足りない場合は更新しない
        if len(self.replay_buffer) < self.batch_size:
            return None
        
        # ミニバッチデータを取得
        state, action, reward, next_state, done = self.replay_buffer.get_batch()
        
        # サンプルごとに現在の状態・行動の行動価値(Q関数NNの順伝播)を計算
        qs = self.qnet(state) # 全ての行動
        q = qs[np.arange(self.batch_size), action] # 各行動
        
        # サンプルごとに次の状態の行動価値(ターゲットNNの順伝播)の最大値を計算
        next_qs = self.qnet_target(next_state) # 全ての行動
        next_q = next_qs.max(axis=1) # 最大値の行動
        
        # 勾配の計算から除外
        next_q.unchain()
        
        # ターゲット(正解ラベル)を計算
        target = reward + (1 - done) * self.gamma * next_q
        
        # 損失関数(損失レイヤの順伝播)を計算
        loss = F.mean_squared_error(q, target)
        
        # 勾配を初期化
        self.qnet.cleargrads()
        
        # パラメータの勾配(逆伝播)を計算
        loss.backward()
        
        # 勾配降下法によりQ関数NNのパラメータを更新
        self.optimizer.update()
        
        # 損失を出力
        return loss.data

 推移の確認用に損失を出力するように変更しました。

 実装したクラスを試してみましょう。

 環境(カートポール)とエージェントのインスタンスを作成して、batch_sizeよりも多い総時刻(ステップ数)の処理を行います。

# 環境とエージェントのインスタンスを作成
env = gym.make('CartPole-v1')
agent = DQNAgent()

# 行動の表示用のリストを作成
arrows = ['←', '→']

# 最初の状態を設定
state, info = env.reset()
done = False

# 総時刻(ステップ数)
T = 100

# 計算用のオブジェクトを初期化
total_loss = 0.0
total_reward = 0.0

# 推移の可視化用のリストを初期化
trace_loss = []
trace_reward = []

# 繰り返し試行
for t in range(T):
    # ε-greedy法により行動を決定
    action = agent.get_action(state)

    # サンプルデータを取得
    next_state, reward, done, truncated, info = env.step(action)

    # Q関数(NNのパラメータ)を更新
    loss = agent.update(state, action, reward, next_state, done)

    # 合計損失・合計報酬を計算
    if not len(agent.replay_buffer) < agent.batch_size: # サンプルデータが足りない場合は計算しない
        total_loss += loss
    total_reward += reward
    
    # サンプルデータを表示
    print(
        't=' + str(t) + 
        ', S_t=' + str(state.round(3)) + 
        ', A_t=' + arrows[action] + 
        ', S_t+1=' + str(next_state.round(3)) + 
        ', R_t=' + str(reward) + 
        ', average loss=' + str(np.round(total_loss/(t+1), 3))
    )
    
    # 状態を更新
    state = next_state

    # 平均損失・合計報酬を記録
    trace_loss.append(total_loss / (t+1))
    trace_reward.append(total_reward)
t=0, S_t=[-0.005  0.033  0.007  0.038], A_t=←, S_t+1=[-0.004 -0.162  0.008  0.333], R_t=1.0, average loss=0.0
t=1, S_t=[-0.004 -0.162  0.008  0.333], A_t=←, S_t+1=[-0.008 -0.357  0.015  0.628], R_t=1.0, average loss=0.0
t=2, S_t=[-0.008 -0.357  0.015  0.628], A_t=→, S_t+1=[-0.015 -0.162  0.027  0.34 ], R_t=1.0, average loss=0.0
t=3, S_t=[-0.015 -0.162  0.027  0.34 ], A_t=←, S_t+1=[-0.018 -0.358  0.034  0.641], R_t=1.0, average loss=0.0
t=4, S_t=[-0.018 -0.358  0.034  0.641], A_t=←, S_t+1=[-0.025 -0.553  0.047  0.944], R_t=1.0, average loss=0.0
(省略)
t=95, S_t=[-7.739 -5.923  2.347 -9.258], A_t=←, S_t+1=[-7.858 -6.047  2.162 -9.178], R_t=0.0, average loss=0.289
t=96, S_t=[-7.858 -6.047  2.162 -9.178], A_t=←, S_t+1=[-7.979 -6.161  1.978 -9.029], R_t=0.0, average loss=0.289
t=97, S_t=[-7.979 -6.161  1.978 -9.029], A_t=←, S_t+1=[-8.102 -6.271  1.798 -8.825], R_t=0.0, average loss=0.288
t=98, S_t=[-8.102 -6.271  1.798 -8.825], A_t=→, S_t+1=[-8.227 -6.017  1.621 -8.452], R_t=0.0, average loss=0.286
t=99, S_t=[-8.227 -6.017  1.621 -8.452], A_t=→, S_t+1=[-8.348 -5.769  1.452 -8.14 ], R_t=0.0, average loss=0.285

 ここでは簡単に確認するために、回数を指定して(エピソードが終了しても)サンプリングを行います(警告メッセージが出ます)。

 Q関数のネットワークとターゲットネットワークのパラメータを確認します。

# Q関数NNとターゲットNNのパラメータを確認
print(agent.qnet.l1.W.data[0, :5].round(3))
print(agent.qnet_target.l1.W.data[0, :5].round(3))
[ 0.597 -0.475 -0.935  0.736 -0.807]
[ 0.641  1.352  0.124 -0.024  1.066]


 パラメータを同期します。

# Q関数NNとターゲットNNを同期
agent.sync_qnet()

# Q関数NNとターゲットNNのパラメータを確認
print(agent.qnet.l1.W.data[0, :5].round(3))
print(agent.qnet_target.l1.W.data[0, :5].round(3))
[ 0.597 -0.475 -0.935  0.736 -0.807]
[ 0.597 -0.475 -0.935  0.736 -0.807]


 この項では、DQNのエージェントを実装しました。次項では、DQNの学習を行います。

8.2.5 DQNを動かす

 DQNを用いてカートポールの問題を解きます。

DQNの学習

 カートポールに対するDQNの学習を実装します。ニューラルネットワークを用いたQ学習については「7.4:Q学習とニューラルネットワーク【ゼロつく4のノート】 - からっぽのしょこ」を参照してください。

 DQNによりQ関数を繰り返し更新します。

# 環境とエージェントのインスタンスを作成
env = gym.make('CartPole-v1')
agent = DQNAgent()

# エピソード数を指定
episodes = 300

# ターゲットネットワークの同期タイミングを指定
sync_interval = 20

# 推移の確認用のリストを初期化
trace_loss = []
trace_reward = []

# 繰り返しシミュレーション
for episode in range(episodes):
    # 状態を初期化
    state, info = env.reset()
    done = False
    
    # 時刻を初期化
    t = 0

    # 計算用のオブジェクトを初期化
    total_loss = 0.0
    total_reward = 0.0
    
    # 1エピソードのシミュレーション
    while not done:
        # 時刻をカウント
        t += 1
        
        # ε-greedy法により行動を決定
        action = agent.get_action(state)

        # サンプルデータを取得
        next_state, reward, done, truncated, info = env.step(action)
        
        # Q関数(NNのパラメータ)を更新
        loss = agent.update(state, action, reward, next_state, done)
        
        # 状態を更新
        state = next_state
        
        # 合計損失・合計報酬を計算
        if not len(agent.replay_buffer) < agent.batch_size: # サンプルデータが足りない場合は計算しない
            total_loss += loss
        total_reward += reward
        
    # Q関数NNとターゲットNNを同期
    if episode % sync_interval == 0:
        agent.sync_qnet()
        
    # 平均損失・合計報酬を記録
    trace_loss.append(total_loss / t)
    trace_reward.append(total_reward)
    
    # 一定回数ごとに結果を表示
    if (episode+1) % 20 == 0:
        print(
            'episode ' + str(episode+1) + 
            ', T=' + str(t) + 
            ', average loss=' + str(np.round(total_loss/t, 3)) + 
            ', total reward=' + str(total_reward)
        )
episode 20, T=11, average loss=1.535, total reward=11.0
episode 40, T=9, average loss=1.386, total reward=9.0
episode 60, T=9, average loss=1.219, total reward=9.0
episode 80, T=9, average loss=0.238, total reward=9.0
episode 100, T=9, average loss=0.133, total reward=9.0
episode 120, T=36, average loss=1.417, total reward=36.0
episode 140, T=60, average loss=0.932, total reward=60.0
episode 160, T=13, average loss=0.838, total reward=13.0
episode 180, T=386, average loss=0.161, total reward=386.0
episode 200, T=258, average loss=0.251, total reward=258.0
episode 220, T=232, average loss=1.976, total reward=232.0
episode 240, T=219, average loss=1.059, total reward=219.0
episode 260, T=216, average loss=0.669, total reward=216.0
episode 280, T=225, average loss=0.433, total reward=225.0
episode 300, T=165, average loss=0.273, total reward=165.0

 最初の状態からε-greedy法により行動し、カートまたはポールが閾値を超えるまでを1エピソードとします。エピソードごとに、envreset()で状態(カートとポール)を初期化し、終了フラグdoneFalseに設定します。
 episodesに指定した回数のシミュレーションを行い、時刻ごとに繰り返しagentupdate()でニューラルネットワークのパラメータを勾配降下法(Adam)により更新します。ただし、replay_bufferに保存された経験データ(サンプルデータ)数がbatch_size以上になるまでは更新されません。
 sync_intervalに指定したエピソード数ごとに、Q関数のネットワークとターゲットネットワークのパラメータを同期します。

 カートポールでは、総時刻(ステップ数)と合計報酬は一致します。

 平均損失と総報酬の推移をそれぞれグラフで確認します。

# 最適化手法名を取得
optm_name = agent.optimizer.__class__.__name__

# 学習率名を指定
lr_name = 'alpha'

# 学習率を取得
lr = getattr(agent.optimizer, lr_name)
# 平均損失の推移を作図
plt.figure(figsize=(8, 6), facecolor='white')
plt.plot(np.arange(1, episodes+1), trace_loss)
plt.xlabel('episode')
plt.ylabel('average loss')
plt.suptitle('DQN', fontsize=20)
plt.title(optm_name+': '+lr_name+'='+str(lr), loc='left')
plt.grid()
plt.show()
# 総報酬の推移を作図
plt.figure(figsize=(8, 6), facecolor='white')
plt.plot(np.arange(1, episodes+1), trace_reward)
plt.xlabel('episode')
plt.ylabel('total reward')
plt.suptitle('DQN', fontsize=20)
plt.title(optm_name+': '+lr_name+'='+str(lr), loc='left')
plt.grid()
plt.show()

平均損失と総報酬の推移

 結果の解釈については本を参照してください。

 以上で、DQNの学習を行えました。次からは、学習の状況を確認します。

学習済みエージェントによるプレイ

 学習済みのQ関数(ニューラルネットワーク)を使って、カートポールをプレイします。

 greedyに行動するように設定変更してシミュレーションを行います。

# 環境のインスタンスを作成
env = gym.make('CartPole-v1', render_mode='rgb_array')

# greedy法に設定を変更
agent.epsilon = 0.0

# 最初の状態を取得
state, info = env.reset()

# 終了フラグを設定
done = False

# 時刻を初期化
t = 0

# 状態の記録用リストを初期化
state_data = []
render_data = [env.render()] # 最初の状態

# 1エピソードのシミュレーション
while not done:
    # 時刻をカウント
    t += 1
    
    # greedy法により行動を決定
    action = agent.get_action(state)
    
    # 状態を遷移
    next_state, reward, done, truncated, info = env.step(action)
    
    # 状態を保存
    state_data.append((state, action, reward, done)) # 現在
    render_data.append(env.render()) # 次
    
    # フラグを表示
    print('t='+str(t) + ': '+str(done))
    # 状態を更新
    state = next_state

# 最後の状態を保存
state_data.append((state, None, None, None))
t=1: False
t=2: False
t=3: False
(省略)
t=163: False
t=164: False
t=165: True

 DQNAgentクラスのインスタンス変数epsilonの値を0にして、1エピソードの処理を行います。
 推移の確認用に、各時刻におけるカートポールの描画用の配列をリストに格納していきます。

 カートポールのアニメーションを作成します。

・作図コード(クリックで展開)

# フレーム数を設定
frame_num = len(render_data)

# 図を初期化
fig = plt.figure(figsize=(9, 7), facecolor='white')
fig.suptitle('DQN', fontsize=20)

# 行動の表示用のリストを作成
arrows = ['←', '→']

# 作図処理を関数として定義
def update(t):
    # 時刻tの状態を取得
    state, action, reward, terminated = state_data[t]
    rgb_data = render_data[t]
    
    # 状態ラベルを作成
    state_text = 't=' + str(t) + '\n'
    state_text += f'cart position={state[0]:5.2f}, '
    state_text += f'cart velocity={state[1]:6.3f}\n'
    state_text += f'pole angle   ={state[2]:5.2f}, '
    state_text += f'pole velocity={state[3]:6.3f}\n'
    if (t+1) < frame_num:
        state_text += 'action=' + arrows[action] + ', '
        state_text += 'reward=' + str(reward) + ', '
        state_text += 'terminated:' + str(terminated)
    else: # 最後の状態の場合
        state_text += 'action=' + str(action) + ', '
        state_text += 'reward=' + str(reward) + ', '
        state_text += 'terminated:' + str(terminated)
    
    # カートポールを描画
    plt.imshow(rgb_data)
    plt.xticks(ticks=[])
    plt.yticks(ticks=[])
    plt.title(state_text, loc='left')

# gif画像を作成
anime = FuncAnimation(fig=fig, func=update, frames=frame_num, interval=50)

# gif画像を保存
anime.save('CatePole_DQN.gif')

 時刻(ステップ)ごとの作図処理を関数update()として定義して、FuncAnimation()でアニメーション(gif画像)を作成します。各フレームの図はimshow()で描画します。


学習済みモデルによりカートポールをプレイした様子

 ポールを倒さないように制御できています。

学習推移の可視化

 DQNの学習では、確率的な処理を含み、一回の実験結果の変動が大きくなります。そこで、同じ設定で複数回の実験を行い、推移の平均を確認します。

 先ほどの学習処理を繰り返し行います。

# 環境のインスタンスを作成
env = gym.make('CartPole-v1')

# 実験回数を指定
runs = 50

# エピソード数を指定
episodes = 300

# ターゲットネットワークの同期タイミングを指定
sync_interval = 20

# 推移の確認用のリストを初期化
trace_all_loss = []
trace_all_reward = []

# 繰り返し実験
for run in range(runs):
    # 実験回数を表示
    print('----- run ' + str(run+1) + ' -----')
    
    # エージェントのインスタンスを初期化
    agent = DQNAgent()
    
    # 推移の確認用のリストを初期化
    trace_loss = []
    trace_reward = []
    
    # 繰り返しシミュレーション
    for episode in range(episodes):
        # 状態を初期化
        state, info = env.reset()
        done = False
        truncated = False

        # 時刻を初期化
        t = 0

        # 計算用のオブジェクトを初期化
        total_reward = 0.0
        total_loss = 0.0

        # 1エピソードのシミュレーション
        while not done: # カートかポールが閾値を超えると終了
        #while not done and not truncated: # 500ステップで打ち切り
        #while not done and t < 200: # 打ち切り回数を指定
            # 時刻をカウント
            t += 1

            # ε-greedy法により行動を決定
            action = agent.get_action(state)

            # サンプルデータを取得
            next_state, reward, done, truncated, info = env.step(action)

            # Q関数(NNのパラメータ)を更新
            loss = agent.update(state, action, reward, next_state, done)

            # 状態を更新
            state = next_state

            # Q関数NNとターゲットNNを同期
            if episode % sync_interval == 0:
                agent.sync_qnet()

            # 合計損失・合計報酬を計算
            if not len(agent.replay_buffer) < agent.batch_size: # サンプルデータが足りない場合は計算しない
                total_loss += loss
            total_reward += reward

        # 平均損失・合計報酬を記録
        trace_loss.append(total_loss/t)
        trace_reward.append(total_reward)
        
        # 一定回数ごとに結果を表示
        if (episode+1) % 100 == 0:
            print(
                'episode ' + str(episode+1) + 
                ', T=' + str(t) + 
                ', average loss=' + str(np.round(total_loss/t, 3))
            )
    
    # 平均損失・合計報酬の推移を記録
    trace_all_loss.append(trace_loss)
    trace_all_reward.append(trace_reward)
    
    # 最大ステップ数を表示
    print('max T:' + str(int(np.max(trace_all_reward))))
----- run 1 -----
episode 100, T=22, average loss=0.299
episode 200, T=10, average loss=4.306
episode 300, T=227, average loss=0.64
max T:1080
----- run 2 -----
episode 100, T=35, average loss=0.196
episode 200, T=832, average loss=2.341
episode 300, T=114, average loss=13.086
max T:37766
----- run 3 -----
episode 100, T=9, average loss=1.542
episode 200, T=562, average loss=5.319
episode 300, T=865, average loss=0.375
max T:37766
(省略)
----- run 49 -----
episode 100, T=31, average loss=4.454
episode 200, T=173, average loss=3.784
episode 300, T=190, average loss=1.128
max T:2119332
----- run 50 -----
episode 100, T=27, average loss=0.313
episode 200, T=175, average loss=6.156
episode 300, T=166, average loss=0.052
max T:2119332

 「DQNの学習」の処理をrunsに指定した回数繰り返して、平均損失と総報酬の推移をtrace_all_***に格納していきます。
 while文の条件にtruncatedも含めると、500ステップでエピソードを終了します。

 (いや200万ステップって、、3万ステップ越えの時点でひいてたのに、これは外れ値ですか?バグですか?分かりません。)図8-9は、ライブラリの仕様変更前のもので、時刻の上限が200(200ステップでエピソード打ち切り)の場合だと思われます。

 平均損失と総報酬について、それぞれ実験ごとの推移と、全ての実験での推移の平均をグラフで確認します。

# 最適化手法名を取得
optm_name = agent.optimizer.__class__.__name__

# 学習率名を指定
lr_name = 'alpha'

# 学習率を取得
lr = getattr(agent.optimizer, lr_name)
# 配列に変換
loss_arr = np.array(trace_all_loss)
print(loss_arr.shape)

# 平均損失の推移を作図
plt.figure(figsize=(8, 6), facecolor='white')
for run in range(runs):
    plt.plot(np.arange(1, episodes+1), loss_arr[run], 
             alpha=0.2) # 実験ごとの推移
plt.plot(np.arange(1, episodes+1), np.mean(loss_arr, axis=0), 
         color='red', label='mean') # 推移の平均
plt.xlabel('episode')
plt.ylabel('average loss')
plt.suptitle('DQN', fontsize=20)
plt.title(optm_name+': '+lr_name+'='+str(lr) + ', runs:'+str(runs), loc='left')
plt.grid()
plt.legend()
plt.ylim(-5, 50)
plt.show()
# 配列に変換
reward_arr = np.array(trace_all_reward)
print(reward_arr.shape)

# 総報酬の推移を作図
plt.figure(figsize=(8, 6), facecolor='white')
for run in range(runs):
    plt.plot(np.arange(1, episodes+1), reward_arr[run], 
             alpha=0.2) # 実験ごとの推移
plt.plot(np.arange(1, episodes+1), np.mean(reward_arr, axis=0), 
         color='red', label='mean') # 推移の平均
plt.xlabel('episode')
plt.ylabel('total reward')
plt.suptitle('DQN', fontsize=20)
plt.title(optm_name+': '+lr_name+'='+str(lr) + ', runs:'+str(runs), loc='left')
plt.grid()
plt.legend()
plt.ylim(-10, 500)
plt.show()

損失の推移の平均

総報酬の推移の平均

 (マシンスペック的に100回はキツい…)

 この節では、基本的なDQNを実装して学習を行いました。次節からは、DQNを拡張する手法を扱いますが実装はしないようです(残念)。

参考文献

おわりに

 サンプルデータをサンプリングし始めて表現に悩みました。経験データのサンプルと呼べばいいのでしょうが、これまでの記事と呼び方が揺れるのが嫌でして、なんとかうまくやったつもりです。読みにくければ、、、頑張って読んでください。

 8章の後半は実装例が載ってないんですね、残念です。しかし、無いなら作る!ということでちょっと考えてみます。というわけで続きは少し空くと思います。他にも年内に書いておきたいこともありますし。

 えっとそして、この記事がこのブログの500記事目なようです。目次用のページや日記も含めてカウントされているので、気持ち的にはもう十数記事は書いてから達成って感じですが、きっちり数えるようなことでもないので、ぜひ褒めてください。
 それと、来週でブログ開設4周年です。特に今回に限らずいつでも褒めてもらえると喜びます!今後もよろしくお願いします。

 最後に!先ほど公開された歌唱動画をぜひ聴きましょう。

 卒業目前にまーでぃーを観られるとはありがたい限りです。良いコンビ!

【次節の内容】

つづく