はじめに
機械学習や統計学で登場する各種の確率分布について、「計算式の導出・計算のスクラッチ実装・計算過程や結果の可視化」などの「数式・プログラム・図」を用いた解説により、様々な角度から理解を目指すシリーズです。
この記事では、負の二項分布のパラメータの影響についてR言語を使って確認します。
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負の二項分布のパラメータの可視化
負の二項分布(Negative Binomial distribution)のグラフやアニメーションを作成して、パラメータの影響を図で確認します。この記事では、Rのggplot2パッケージを利用して作図します。
負の二項分布については「負の二項分布の定義式 - からっぽのしょこ」、グラフ作成については「【R】負の二項分布の作図 - からっぽのしょこ」、Pythonを利用する場合は「Python版」を参照してください。
パラメータの影響
前の記事(「分布の作図」)では、複数のパラメータのグラフを並べて描画しました。

この記事では、パラメータの値を少しずつ変化させてグラフの変化をアニメーションで確認します。
作図コードについては「Probability-Distribution/code/negative_binomial/parameter.R at main · anemptyarchive/Probability-Distribution · GitHub」を参照してください。
パラメータと形状の関係
成功確率パラメータ を変化させたときの負の二項分布の形状の変化をアニメーションにします。
パラメータ(成功確率) が大きくなるほど、確率のピークとなる確率変数の値(失敗回数)
が小さくなる(山が左に移動する)のが分かります。
成功回数パラメータ による変化をアニメーションにします。
成功回数 が増えるほど、確率のピークとなる確率変数の値(失敗回数)
が大きくなる(山が右に移動する)のが分かります。
パラメータと統計量の関係
成功確率 を変化させたときの負の二項分布の統計量の変化をアニメーションにします。
期待値を破線、最頻値(mode)を鎖線、期待値を中心に標準偏差1つ分離れた値を点線、また標準偏差2つ分(左右1つずつ)の範囲を水平の線分で示します。
が大きくなる(1に近付く)ほど、期待値と最頻値が小さくなる(左に移動する)のが分かります。また、標準偏差(分散)が小さくなり、分布の裾が狭く確率の最大値が大きくなる(山が高くなる)のも分かります。
このことを、 と
の関係をグラフで確認します。

期待値などの計算式について、 が1に近付くほど、
に関する項が0に近付き(最小になり)ます。
成功回数 による変化をアニメーションにします。
が大きくなるほど、期待値や最頻値、標準偏差(分散)が大きくなるのが分かります。
これらのことは、それぞれの計算式からも分かります。
パラメータとモーメントの関係
成功確率 を変化させたときの負の二項分布の歪度と尖度の変化をアニメーションにします。
分布の形状の比較用に、負の二項分布の期待値 と標準偏差
に一致するガウス分布(正規分布)を赤色の破線の曲線で示します。
比較しやすいように、負の二項分布の がとりうる離散値ごとの確率値(バーの高さ)に点を表示し、緑色の実線で結んでいます。
が大きくなるほど、歪度(skewness)と尖度(kurtosis)が0に近付く(正規分布の形状に近付く)のが分かります。
発生回数 による変化をアニメーションにします。
が大きくなるほど、歪度(skewness)と尖度(kurtosis)が0に近付く(正規分布の形状に近付く)のが分かります。
これらのことは、それぞれの計算式からも分かります。
以上で、パラメータの影響を確認しました。
この記事では、負の二項分布のパラメータの影響を可視化しました。次の記事では、乱数を生成します。
参考文献
おわりに
ほぼほぼ出来上がって放置していたものですが、他記事との表現の揺れなどを気合で完成させて、なんとか日々更新を続けています。
2025年10月20日は、BEYOOOOONDSの岡村美波さんの21歳のお誕生日です!
みいみの笑顔に救われています。
【次の内容】
https://www.anarchive-beta.com/entry/2025/10/21/235500www.anarchive-beta.com
