からっぽのしょこ

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Exponential関数によるイージング【gganimate】

はじめに

 gganimateパッケージについて理解したいシリーズです。
 この記事では、Exponential関数によるイージング処理を解説します。

【他の内容】

www.anarchive-beta.com

【目次】

Exponential

 指数イージング関数(Exponential Easing Function)とイージング処理についてアニメーションで確認します。

 利用するパッケージを読み込みます。

# 利用パッケージ
library(gganimate)
library(tidyverse)

 基本的に、パッケージ名::関数名()の記法で書きます。ただし作図コードに関してはごちゃごちゃしてしまうので、ggplot2パッケージの関数は関数名のみで、gganimateパッケージの関数はパッケージ名を明示して書きます。

指数関数の確認

 指数イージング関数(Exponential関数)は、次の指数関数(Exponential Function)を利用します。


f(x)
    = 2^x

 この関数をグラフで確認します。

・作図コード(クリックで展開)

 x軸の値と関数の出力(y軸の値)をデータフレームに格納します。

# x軸の値を作成
x_vec <- seq(from = -1.5, to = 1.2, by = 0.01)

# 指数関数
tmp_df <- tibble::tibble(
  x = x_vec, 
  #y = 2^x
  y = 2^(10 * x - 10)
)

 このデータフレームはここでしか使いません。

 イージング関数として利用する範囲を示すのに利用するデータフレームを作成します。

# イージング関数として利用する領域
area_df <- tibble::tibble(
  x_from = c(0, 0, 1, 1), 
  y_from = c(0, 1, 1, 0), 
  x_to = c(0, 1, 1, 0), 
  y_to = c(1, 1, 0, 0)
)

 点(x, y)として、4つの点(0, 0)(0, 1)(1, 1)(1, 0)に対応します。

 指数関数のグラフを作成します。

# 指数関数を作図
ggplot() + 
  geom_line(data = tmp_df, mapping = aes(x = x, y = y), 
            color = "hotpink", size = 1) + # 元の関数
  geom_segment(data = area_df, mapping = aes(x = x_from, xend = x_to, y = y_from, yend = y_to), 
               color = "red", size = 1) + # 対象の領域
  coord_fixed(ratio = 1) + # アスペクト比
  labs(title = expression(f(x) == 2^{10 * x - 10}), 
       y = expression(f(x)))

 geom_segment()で領域を描きます。x, y引数に指定した点とxend, yend引数に指定した点を直線で繋ぎます。

f:id:anemptyarchive:20220411145706p:plain
指数関数のグラフ

 イージング関数では赤色の線で囲まれた縦横0から1の領域に注目しますが、この関数は対象の範囲を含みません。
 そこで、次のように式を変形します。


f(x)
    = 2^{10 (x - 1)}
    = 2^{10 x - 10}

 負の累乗は分数になるので、2^{-1} = \frac{1}{2}であり2^{-10} = \frac{1}{2^{10}}です。
 この関数をグラフで確認します。

f:id:anemptyarchive:20220411145723p:plain
指数関数のグラフ

 ほぼ点(0, 0)から点(1, 1)に変化する関数が得られました。

# ほぼ0と1
2^(10 * 0 - 10); 2^(10 * 1 - 10)
## [1] 0.0009765625
## [1] 1

 x = 0のときf(0) \neq 0であることに注意して実装します。

In

 まずは、Exponential-inイージング関数を確認します。Inタイプは、始めの変化が小さく、時間が進むにつれて変化が大きくなります。

 Expo-in関数は、次の式で定義されます。


f_{in}(t)
    = 2^{10 t - 10}
    \quad
      (0 \leq t \leq 1)

 0 \leq t \leq 1のとき0 &lt; f(t) \leq 1になるのが先ほどのグラフからも分かります。

 この関数(y軸の値)を計算して、時間(x軸)の値と共にデータフレームに格納します。

# 時間変化の値を作成:(0 <= t <= 1)
t_vec <- seq(from = 0, to = 1, by = 0.01)

# Exponential-in
expo_in_df <- tibble::tibble(
  t = t_vec, 
  y = dplyr::if_else(
    condition = t == 0, 
    true = 0, 
    false = 2^(10 * t - 10)
  ), 
  easing_fnc = "expo-in"
)
head(expo_in_df)
## # A tibble: 6 x 3
##       t       y easing_fnc
##   <dbl>   <dbl> <chr>     
## 1  0    0       expo-in   
## 2  0.01 0.00105 expo-in   
## 3  0.02 0.00112 expo-in   
## 4  0.03 0.00120 expo-in   
## 5  0.04 0.00129 expo-in   
## 6  0.05 0.00138 expo-in

 dplyrパッケージのif_else()を使って、t(列の値)が0のときy(列の値)を0にして、0以外のときは定義式の計算をします。
 また、他の関数と比較する際に利用するため、easing_fnc列として関数名を持たせておきます。

 作図用のデータフレームを作成します。

# イージング関数を指定
point_df <- expo_in_df

# イージング曲線用のデータフレームを作成
line_df <- point_df %>% 
  dplyr::rename(x = t) # フレーム用の列をx軸用の列に変更

 作図コードを再利用しやすいように、グラフを描画する関数のデータフレームをpoint_dfとして複製します。この後作成する他の関数のデータフレームを指定すると、その関数のグラフを同じコードで描画できます(タイトルは書き換えます)。
 ここでは、時間(t列の値)の変化に応じてフレームを切り替えるアニメーションを作成します。アニメーション(フレーム切替)の影響を受けずにイージング曲線(折れ線グラフ)を描画するために、フレーム列(x軸の値の列)の名前を変更しておきます。

 Expo-in関数のアニメーションを作成します。

# イージング関数を作図
anim <- ggplot(point_df, aes(x = t, y = y)) + 
  geom_line(data = line_df, mapping = aes(x = x, y = y), 
            color = "hotpink", size = 1) + # イージング曲線
  geom_vline(mapping = aes(xintercept = t), 
             color = "orange", size = 1, linetype = "dashed") + # 経過時間の線
  geom_hline(mapping = aes(yintercept = y), 
             color = "red", size = 1, linetype = "dashed") + # 変化量の線
  geom_point(mapping = aes(y = 0), color = "orange", size = 5) + # 経過時間の点
  geom_point(mapping = aes(x = 1), color = "red", size = 5) + # 変化量の点
  geom_point(color = "hotpink", size = 5) + # イージング曲線上の点
  gganimate::transition_reveal(along = t) + # フレーム
  coord_fixed(ratio = 1) + # アスペクト比
  labs(title = "Exponential-in Easing Function", 
       subtitle = "t = {round(frame_along, 2)}", 
       color = "easing function", 
       x = "time", y = expression(f(t)))

# gif画像を作成
gganimate::animate(plot = anim, nframes = 101, fps = 50)

f:id:anemptyarchive:20220411145755g:plain
Exponential-in関数のグラフ

 x軸上を通過するオレンジ色の点は、経過時間を表します。この点(時間経過)は、常に一定に変化します。
 ピンク色の線は、イージング関数のグラフで、経過時間と移動量(アニメーションの変化)の関係を表します。イージング曲線上を通過するピンク色の点は、その時間における関数の値です。
 y軸に対して並行に移動する赤色の点は、イージング関数に従って変化する点で、イージング処理されたアニメーションの変化を表します。

 Expo-in関数によるイージング処理は、時間が経つほど変化が大きくなるのが分かります。

Out

 次は、Exponential-outイージング関数を確認します。Outタイプは、始めの変化が大きく、時間が進むにつれて変化が小さくなります。

 Expo-out関数は、Inの関数を用いて次の式で定義されます。


f_{out}(t)
    = 1 - f_{in}(1 - t)
    \quad
      (0 \leq t \leq 1)

 時間tは0から1に変化するので、1 - tは0から1に変化します。この操作により、y軸に対してグラフが反転します。
 さらに、f_{in}(1 - t)は1から0に変化するので、1 - f_{in}(1 - t)は0から1に変化します。これにより、x軸に対してもグラフが反転した関数が得られます。

 この式を整理します。Inの式のtt'で表し1 - tに置き換えると


\begin{aligned}
f_{out}(t)
   &= 1 - 2^{10 t' - 10}
\\
   &= 1 - 2^{10 (1 - t) - 10}
\\
   &= 1 - 2^{- 10 t}
\end{aligned}

で計算できることが分かります。

 ただし、こちらはx = 1のときf_{out}(1) \neq 1であることに注意して実装します。

# 0とほぼ1
1 - 2^(-10 * 0); 1 - 2^(-10 * 1)
## [1] 0
## [1] 0.9990234

 ほぼ1になります。

 時間(x軸)の値とイージング関数(y軸)の値をデータフレームに格納します。

# Exponential-out
expo_out_df <- tibble::tibble(
  t = t_vec, 
  y = dplyr::if_else(
    condition = t == 1, 
    true = 1, 
    false = 1 - 2^(-10 * t)
  ), 
  easing_fnc = "expo-out"
)
head(expo_out_df)
## # A tibble: 6 x 3
##       t      y easing_fnc
##   <dbl>  <dbl> <chr>     
## 1  0    0      expo-out  
## 2  0.01 0.0670 expo-out  
## 3  0.02 0.129  expo-out  
## 4  0.03 0.188  expo-out  
## 5  0.04 0.242  expo-out  
## 6  0.05 0.293  expo-out

 if_else()t(列の値)が1のときy(列の値)を1にします。

 Expo-out関数のアニメーションを作成します。

f:id:anemptyarchive:20220411145842g:plain
Exponential-out関数のグラフ

 Expo-out関数によるイージング処理は、時間が経つほど変化が小さくなるのが分かります。

InOut

 続いて、Exponential-in-outイージング関数を確認します。InOutタイプは、始めと終わりの変化が小さく、中盤の変化が大きくなります。

 Expo-in-out関数は、Inの関数とOutの関数を用いて次の式で定義されます。


\begin{aligned}
f_{inout}(t)
    = \begin{cases}
          \frac{1}{2} f_{in}(2 t)
              &\quad (0 \leq t < 0.5) \\
          \frac{1}{2} (f_{out}(2 t - 1) + 1)
              &\quad (0.5 \leq t \leq 1)
      \end{cases}
\end{aligned}

 前半(tが0から0.5の間)の変化ではInの関数で計算します。tを2倍にすることで0から1の範囲で関数の計算を行い、計算結果を2分の1にすることで出力を0から0.5の範囲に抑えます。
 後半(tが0.5から1の間)の変化ではOutの関数で計算します。こちらも2 t - 1にすることで0から1の範囲で関数の計算を行い、前半部分に対応する(2分の1になるので0.5の2倍の)1を足して、2分の1にすることで出力を0.5から1の範囲にします。

 それぞれ式を整理します。上の式(前半の式)は、Inの式のtt'で表し2 tに置き換えて


\begin{aligned}
\frac{1}{2} f_{in}(2 t)
   &= \frac{1}{2} 2^{10 t' - 10}
\\
   &= 2^{-1} 2^{10 (2 t) - 10}
\\
   &= 2^{20 t - 11}
\end{aligned}

となります。x^m x^n = x^{m+n}です。

 下の式(後半の式)は、Outの関数のtt'で表し2 t - 1に置き換えて


\begin{aligned}
\frac{1}{2} (f_{out}(2 t - 1) + 1)
   &= \frac{1}{2} \Bigl\{
          1 - 2^{- 10 t'} + 1
      \Bigr\}
\\
   &= \frac{1}{2} \Bigl[
          2 - 2^{- 10 (2 t - 1)}
      \Bigr]
\\
   &= \frac{1}{2} \Bigl\{
          2 - 2^{10 - 20 t}
      \Bigr\}
\\
   &= 1 - 2^{9 - 20 t}
\end{aligned}

となります。

 よって、2つの式をまとめると


\begin{aligned}
f_{inout}(t)
    = \begin{cases}
          2^{20 t - 11}
              &\quad (0 \leq t < 0.5) \\
          1 - 2^{9 - 20 t}
              &\quad (0.5 \leq t \leq 1)
      \end{cases}
\end{aligned}

で計算できます。

 ただし、f_{inout}(0) \neq 0f_{inout}(1) \neq 1です。

# ほぼ0とほぼ1
2^(20 * 0 - 11); 1 - 2^(9 - 20 * 1)
## [1] 0.0004882812
## [1] 0.9995117

 この関数の実装でも場合分けして計算する必要があります。

 時間(x軸)の値とイージング関数(y軸)の値をデータフレームに格納します。

# Exponential-inout
expo_inout_df <- tibble::tibble(
  t = t_vec, 
  y = dplyr::case_when(
    t == 0 ~ 0, 
    t == 1 ~ 1, 
    t < 0.5 ~ 2^(20 * t - 11), 
    t >= 0.5 ~ 1 - 2^(9 - 20 * t)
  ), 
  easing_fnc = "expo-in-out"
)
head(expo_inout_df)
## # A tibble: 6 x 3
##       t        y easing_fnc 
##   <dbl>    <dbl> <chr>      
## 1  0    0        expo-in-out
## 2  0.01 0.000561 expo-in-out
## 3  0.02 0.000644 expo-in-out
## 4  0.03 0.000740 expo-in-out
## 5  0.04 0.000850 expo-in-out
## 6  0.05 0.000977 expo-in-out

 dplyrパッケージのcase_when()を使って、場合分けして計算します。

 Expo-in-out関数のアニメーションを作成します。

f:id:anemptyarchive:20220411151330g:plain
Exponential-in-out関数のグラフ

 Expo-in-out関数によるイージング処理は、中ごろで大きく変化するのが分かります。

イージング処理の比較

 最後に、Linear関数と3つのExponential関数を比較します。

 これまでに確認したグラフを重ねて描画するため、データフレームを結合します。

# linear
linear_df <- tibble::tibble(
  t = t_vec, 
  y = t, 
  easing_fnc = "linear"
)

# 比較対象を結合
easing_df <- rbind(
  linear_df, 
  expo_in_df, 
  expo_out_df, 
  expo_inout_df
) %>% 
  dplyr::mutate(
    easing_fnc = factor(easing_fnc, level = c("linear", "expo-in", "expo-out", "expo-in-out"))
  ) # 因子型に変換

# イージング曲線用のデータフレームを作成
line_df <- easing_df %>% 
  dplyr::rename(x = t) # フレーム用の列をx軸用の列に変更

# 確認
head(easing_df)
## # A tibble: 6 x 3
##       t     y easing_fnc
##   <dbl> <dbl> <fct>     
## 1  0     0    linear    
## 2  0.01  0.01 linear    
## 3  0.02  0.02 linear    
## 4  0.03  0.03 linear    
## 5  0.04  0.04 linear    
## 6  0.05  0.05 linear

 比較する関数のデータフレームを結合します。
 グラフを色分けするために、関数名の列を因子型に変換しておきます。factor()のレベル引数levelに関数名の順番を指定すると、凡例の並びや色付けを指定できます。

 イージング関数のアニメーションを作成します。

# イージング関数を作図
anim <- ggplot(easing_df, aes(x = t, y = y, color = easing_fnc)) + 
  geom_vline(mapping = aes(xintercept = t), 
             color = "pink", size = 1, linetype = "dashed") + # 経過時間の線
  geom_hline(mapping = aes(yintercept = y, color = easing_fnc), linetype = "dashed") + 
  geom_line(data = line_df, mapping = aes(x = x, y = y, color = easing_fnc), size = 1) + # イージング曲線
  geom_point(mapping = aes(x = 1), size = 5) + 
  geom_point(mapping = aes(y = 0), color = "pink", size = 5) + 
  geom_point(size = 5) + # イージング曲線上の点
  gganimate::transition_reveal(along = t) + # フレーム
  scale_color_manual(values = c("red", "limegreen", "orange", "mediumblue")) + # 点と線の色:(不必要)
  coord_fixed(ratio = 1) + # アスペクト比
  labs(title = "Exponential Easing Functions", 
       subtitle = "t = {round(frame_along, 2)}", 
       color = "easing function", 
       x = "time", y = expression(f(t))) # ラベル

# gif画像を作成
gganimate::animate(plot = anim, nframes = 101, fps = 50)

f:id:anemptyarchive:20220411151420g:plain
Exponential関数のグラフ

 InのグラフとOutのグラフが点(0.5, 0.5)で点対称になっているのが分かります。また、InOutのグラフがInとOutを繋げたグラフになっており、点(0.5, 0.5)でLinear関数と等しくなるのが分かります。

 続いて、垂直に移動する点で表現していたイージング処理された変化を、棒グラフで表現します。

# イージング関数の数を取得
fnc_size <- length(unique(easing_df[["easing_fnc"]]))

# イージングバー用のデータフレームを作成
bar_df <- easing_df %>% 
  dplyr::mutate(x = (rep(1:fnc_size, each = length(t_vec)) * 2 - 1) / (fnc_size * 2)) # x軸の値を等間隔に設定
head(bar_df)
## # A tibble: 6 x 4
##       t     y easing_fnc     x
##   <dbl> <dbl> <fct>      <dbl>
## 1  0     0    linear     0.125
## 2  0.01  0.01 linear     0.125
## 3  0.02  0.02 linear     0.125
## 4  0.03  0.03 linear     0.125
## 5  0.04  0.04 linear     0.125
## 6  0.05  0.05 linear     0.125

 バーを0から1の範囲で等間隔に配置するために、x軸の値を等間隔に設定します。

 棒グラフのアニメーションを作成します。

# イージング処理を作図
anim <- ggplot() + 
  geom_tile(data = bar_df, mapping = aes(x = x, y = y/2, height = y, fill = easing_fnc), 
           alpha = 0.7, width = 0.9/fnc_size) + # イージングバー
  geom_hline(data = easing_df, mapping = aes(yintercept = y, color = easing_fnc), 
             linetype = "dashed") + # 変化量の線
  geom_line(data = line_df, mapping = aes(x = x, y = y, color = easing_fnc)) + # イージング曲線
  geom_point(data = easing_df, mapping = aes(x = t, y = y, color = easing_fnc), 
             alpha = 0.5, size = 5) + # イージング曲線上の点
  gganimate::transition_reveal(along = t) + # フレーム
  scale_color_manual(values = c("red", "limegreen", "orange", "mediumblue")) + # 点と線の色:(不必要)
  scale_fill_manual(values = c("red", "limegreen", "orange", "mediumblue")) + # バーの色:(不必要)
  coord_fixed(ratio = 1) + # アスペクト比
  labs(title = "Exponential Easing Functions", 
       subtitle = "t = {round(frame_along, 2)}", 
       fill = "easing function", color = "easing function", 
       x = "time", y = expression(f(x))) # ラベル

# gif画像を作成
gganimate::animate(plot = anim, nframes = 101, fps = 50)

f:id:anemptyarchive:20220411151751g:plain
Exponential関数によるイージング処理

 イージング曲線上の点と対応するバーの高さが一致しているのが分かります。

 点の軌跡でイージング処理を可視化します。

 作図用にデータフレームを加工します。(それとは別に、時間の値を粗く(by = 0.1に)してデータを作り直しました。)

# イージング関数の数を取得
fnc_size <- length(unique(easing_df[["easing_fnc"]]))

# 移動点用のデータフレームを作成
point_df <- easing_df %>% 
  dplyr::mutate(
    x = rep(1:fnc_size, each = length(t_vec)), 
    frame = t
  ) %>% # プロット位置とフレーム列を追加
  dplyr::select(t, x, y, easing_fnc, frame) # 列を並べ替え

# 最初のフレームで描画するデータを確認
point_df %>% 
  dplyr::filter(frame == 0)
## # A tibble: 4 x 5
##       t     x     y easing_fnc  frame
##   <dbl> <int> <dbl> <fct>       <dbl>
## 1     0     1     0 linear          0
## 2     0     2     0 expo-in         0
## 3     0     3     0 expo-out        0
## 4     0     4     0 expo-in-out     0

 点のプロット位置として、関数ごとにx軸の値を割り当てます。また、フレーム列として時間列の値を複製します。

 過去の点の位置を表示するために、データ(行)を複製したデータフレームを作成します。

# 点の軌跡用のデータフレームを作成
trace_point_df <- easing_df %>% 
  tibble::add_column(
    x = rep(1:fnc_size, each = length(t_vec)), 
    n = rep((length(t_vec)-1):0, times = fnc_size)
  ) %>% # 複製する数を追加
  tidyr::uncount(n) %>% # 過去フレーム用に複製
  dplyr::group_by(t, easing_fnc) %>% # 時間と関数でグループ化
  dplyr::mutate(
    idx = length(t_vec) + 1 - dplyr::row_number(), 
    frame = t_vec[idx]
  ) %>% # フレーム列を追加
  dplyr::ungroup() %>% # グループ化を解除
  dplyr::arrange(frame, x) %>% # 昇順に並び替え
  dplyr::select(t, x, y, easing_fnc, frame) # 利用する列を選択

# 第3フレームまでに描画するデータ
trace_point_df %>% 
  dplyr::filter(frame <= 0.2)
## # A tibble: 12 x 5
##        t     x       y easing_fnc  frame
##    <dbl> <int>   <dbl> <fct>       <dbl>
##  1   0       1 0       linear        0.1
##  2   0       2 0       expo-in       0.1
##  3   0       3 0       expo-out      0.1
##  4   0       4 0       expo-in-out   0.1
##  5   0       1 0       linear        0.2
##  6   0.1     1 0.1     linear        0.2
##  7   0       2 0       expo-in       0.2
##  8   0.1     2 0.00195 expo-in       0.2
##  9   0       3 0       expo-out      0.2
## 10   0.1     3 0.5     expo-out      0.2
## 11   0       4 0       expo-in-out   0.2
## 12   0.1     4 0.00195 expo-in-out   0.2

 この例だと、最初のフレーム(frame列が0)ではデータがなく、2番目のフレーム(frame列が0.1)では前の時間(t列が0)のデータ、3番目のフレーム(frame列が0.2)ではそれまでの時間(t列が0.2未満)のデータとなるようにします。

 横方向に点が移動するアニメーションを作成します。

# イージングされた点移動を作図
anim <- ggplot(point_df, aes(x = x, y = y, color = easing_fnc)) + 
  geom_hline(mapping = aes(yintercept = t), 
             color = "pink", size = 1, linetype = "dashed") + # 経過時間の線
  geom_point(size = 5, show.legend = FALSE) + # イージング移動点
  geom_point(data = trace_point_df, mapping = aes(x = x, y = y, color = easing_fnc), 
             size = 5, alpha = 0.2, show.legend = FALSE) + # 点の軌跡
  gganimate::transition_manual(frame = frame) + # フレーム
  scale_x_reverse(breaks = unique(point_df[["x"]]), labels = unique(point_df[["easing_fnc"]]), minor_breaks = FALSE) + # x軸目盛の反転
  scale_color_manual(values = c("red", "limegreen", "orange", "mediumblue")) + # 点と線の色:(不必要)
  scale_fill_manual(values = c("red", "limegreen", "orange", "mediumblue")) + # 点と線の色:(不必要)
  coord_flip() + # 軸の入れ替え
  labs(title = "Exponential Easing Functions", 
       subtitle = "t = {current_frame}", 
       x = "Easing Function", y = expression(f(t)))

# gif画像を作成
gganimate::animate(plot = anim, nframes = length(t_vec)+10, fps = 10, end_pause = 10)

f:id:anemptyarchive:20220411151828g:plain
Exponential関数によるイージング処理

 coord_flip()でx軸とy軸を入れ変えているので、横方向がy軸になります。

 変化が遅い地点(時間)ほど点の跡が多く残ります。点の跡の偏りがイージング曲線に対応します。

 以上で、指数イージング関数を確認しました。次は、正弦波イージング関数を確認します。

おわりに

 n次関数シリーズが終わってまだ続きます。

【次の内容】

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